これから小説執筆を始めたいあなたへ。魅力的なキャラクター、美しい情景描写、練り込まれた文章表現…小説を構成する要素は様々ですが、その土台となるのは「プロット」です。家を建てる前に設計図が必要なように、小説を書くにもプロット作りが欠かせません。
プロットとは、物語の骨組みとなるあらすじのこと。どのような事件が、どんな順番で起こり、登場人物がどのように行動し、物語がどんな結末を迎えるのか、といったストーリーの展開をまとめたものです。
この記事では、プロット作成の基本ステップを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。プロットの役割から具体的な作成方法、行き詰まった時の対処法、そして役立つツールやテンプレートまで、丁寧に説明していきますので、ぜひ最後まで読んで、あなただけの物語を形にするための第一歩を踏み出しましょう。
小説のプロットとは?
プロットは、物語の設計図であり、小説にとって非常に重要な役割を果たします。 プロットがあることで、作者は物語の全体像を把握し、一貫性のあるストーリーを展開することができます。 また、執筆中の迷いを減らし、スムーズに物語を進めるためのガイドラインともなります。 さらに、魅力的なプロットは、読者の心を掴み、最後まで物語に引き込みます。
プロット作成に行き詰まった場合の対処法
プロット作りは、楽しい作業であると同時に、時に困難を伴う作業でもあります。行き詰まってしまうことは、誰にでもあることです。そんな時は、以下の方法を試してみてください。
- 一度プロットから離れる:煮詰まってしまった時は、一度プロットから離れて、気分転換をしましょう。散歩に出かけたり、好きな音楽を聴いたり、全く違うジャンルの本を読んでみたりするのも良いでしょう。
- 他の作品を参考にする:好きな小説や映画のプロットを分析してみるのも良いでしょう。 どのように物語が展開されているのか、登場人物はどのように行動しているのか、などを観察することで、新たなアイデアが生まれるかもしれません。
- 誰かに相談する:家族や友人に話を聞いてもらったり、意見交換をすることで、新たな視点が得られるかもしれません。 客観的な意見を取り入れることで、行き詰まりの原因が見えてくることもあります。
プロット作成の基本ステップ
プロット作成には、いくつかの基本ステップがあります。プロット作りは、必ずしもこのステップ通りに進むとは限りません。時には、ステップを前後したり、同時進行したりすることもあるでしょう。重要なのは、柔軟な発想で、自分にとってやりやすい方法を見つけることです。
ステップ1:アイデアを練る
まずは、どんな物語を書きたいのか、アイデアを練りましょう。
- テーマを決める:「愛」「友情」「正義」「葛藤」など、物語のテーマを決めましょう。テーマは、物語全体を貫く重要な要素となります。 テーマを明確にすることで、物語の方向性が定まり、より深い作品になるでしょう。
- 舞台設定を考える:時代、場所、社会背景など、物語の舞台となる世界を具体的にイメージしましょう。 舞台設定は、登場人物の行動や心情に影響を与えるだけでなく、物語全体の雰囲気を決定づける重要な要素です。
- 登場人物を設定する:主人公、ライバル、協力者など、物語に登場する人物の性格、外見、生い立ちなどを設定しましょう。 登場人物は、物語を動かす原動力です。魅力的な登場人物を設定することで、読者の共感を呼ぶことができます。
ステップ2:ストーリー展開を考える
次に、物語をどのように展開していくのか、大まかな流れを考えます。
- 起承転結:物語の基本的な構成である「起承転結」を意識し、ストーリーを展開していきましょう。
- 起:物語の始まり。登場人物や舞台設定などを紹介し、物語の世界観を提示します。 読者が物語の世界に入り込むための重要な部分です。
- 承:物語が動き出す部分。事件が起こったり、登場人物が行動を起こしたりします。 読者の興味を引き付け、物語に引き込むための重要な部分です。
- 転:物語の転換点。 unexpected な出来事が起こったり、登場人物が大きな決断をしたりします。 物語に Spannung を与え、読者を惹きつけるための重要な部分です。
- 結:物語の終わり。事件が解決したり、登場人物の運命が決定したりします。 物語全体の印象を決定づける重要な部分です。
- 山場と谷場:物語に緩急をつけるために、山場(盛り上がり)と谷場(落ち着き)を意識しましょう。 山場では、読者の Spannung を高め、谷場では、読者をリラックスさせ、次の展開への期待感を高めることができます。
- 伏線:後の展開に繋がるヒントや情報を、物語の途中に散りばめておきましょう。 伏線を回収することで、読者に驚きや感動を与えることができます。
ステップ3:詳細を詰める
ストーリー展開が決まったら、各場面の詳細を詰めていきます。
- 場面ごとの登場人物の行動や心情:各場面で、登場人物がどのように行動し、どんな感情を抱くのかを具体的に描写しましょう。 登場人物の行動や心情は、読者の共感を呼び、物語への没入感を高めるために重要です。
- 会話文:登場人物同士の会話を通して、物語を展開していくことができます。 会話文は、登場人物の性格や関係性を表現するだけでなく、物語にリアリティを与えることができます。
- 情景描写:五感を使い、場面の雰囲気や状況を鮮やかに描写しましょう。 情景描写は、読者に物語の世界を具体的にイメージさせ、感情移入を促すために重要です。
ステップ4:プロットを書き出す
頭の中で考えたプロットを、実際に文章や図表で書き出してみましょう。
- 文章で書く:あらすじを文章でまとめることで、物語の流れを整理することができます。 文章で書く場合は、時系列に沿って、各場面の出来事を簡潔にまとめるようにしましょう。
- 図表で書く:登場人物の関係性や、時間軸に沿った出来事を図表で整理することで、物語の構造を視覚的に把握することができます。 図表で書く場合は、マインドマップやフローチャートなどを活用すると良いでしょう。
ステップ5:推敲する
書き出したプロットを読み返し、矛盾点や改善点がないか確認しましょう。
- 客観的な視点で読む:まるで他人が書いた物語を読むように、客観的な視点でプロットを読み返しましょう。 物語の流れに無理がないか、登場人物の行動に矛盾がないか、などをチェックしましょう。
- 第三者に読んでもらう:家族や友人にプロットを読んでもらい、意見を聞くことも有効です。 第三者の意見を取り入れることで、新たな発見があるかもしれません。
プロット作成に役立つツールやテンプレート
プロット作成には、様々なツールやテンプレートが役立ちます。
- プロット作成ソフト:物語の構成要素を整理したり、登場人物の関係性を図表化したりできる専用のソフトがあります。例えば、「Scrivener」は、小説執筆に特化したソフトで、プロット作成から執筆、編集まで、一連の作業を効率的に行うことができます。 また、「yWriter」は、無料で利用できるプロット作成ソフトで、章ごとに登場人物や場面を管理することができます。 これらのソフトは、複雑なプロットを管理するのに役立ちます。
- オンラインツール:無料で使えるプロット作成ツールやテンプレートが、インターネット上に多数公開されています。「Plotbot」は、対話形式でプロットを作成できるオンラインツールです。 質問に答えていくだけで、プロットの骨組みを自動的に生成してくれます。また、「Snowflake Method」は、小さなアイデアから出発し、段階的にプロットを詳細化していく手法です。 この手法に基づいたテンプレートも、オンラインで入手することができます。
- ノート:アイデアを書き留めたり、ストーリー展開をメモしたりするのに、シンプルなノートも便利です。 ノートに自由にアイデアを書き出すことで、発想を柔軟にし、新たなアイデアを生み出すことができます。
さまざまなジャンルの小説におけるプロットの例
ジャンルによって、プロットの構成や特徴は異なります。
- ミステリー小説: 事件の発生、謎解き、犯人特定といった流れが基本となります。伏線やトリックが重要な要素となります。 例えば、密室で起きた殺人事件の犯人を探す「密室ミステリー」では、犯行が不可能に見える状況を作り出すトリックが、物語の鍵となります。
- 恋愛小説: 登場人物たちの出会い、恋愛関係の発展、葛藤、結末といった流れが一般的です。心情描写が重要な要素となります。 例えば、「幼馴染同士が大人になって恋に落ちる」というストーリーでは、登場人物たちの心の変化や葛藤を丁寧に描くことで、読者の共感を呼ぶことができます。
- ファンタジー小説: 独特の世界観設定、冒険、戦い、成長といった要素が含まれることが多いです。 例えば、「選ばれし者が魔王を倒すために旅に出る」というストーリーでは、主人公の成長や冒険を通して、読者に勇気や希望を与えることができます。
参考になる書籍やウェブサイト
プロット作成について、より深く学びたい方は、以下の書籍やウェブサイトを参考にしてみてください。
- 書籍
- 「物語の法則 強い物語とスクリプトを書くための12のステップ」クリストファー・ボグラー: 映画脚本家である著者が、映画の脚本術を応用して、物語の普遍的な構造を解説した本です。小説のプロット作成にも役立つヒントが満載です。
- 「SAVE THE CATの法則 2 ストーリーの秘密」ジェシカ・ブロディ: 映画脚本の構成技法「SAVE THE CATの法則」を、さらに詳しく解説した本です。ハリウッド映画の成功例を分析し、魅力的なストーリーを作るための具体的な方法を紹介しています。
- 「キャラクター小説を書くための実践講座」安達瑶子: 魅力的なキャラクターを生み出し、読者の心を掴む小説を書くための方法を、具体的に解説した本です。キャラクター設定からプロット作成、文章表現まで、幅広く学ぶことができます。
- ウェブサイト
- 小説家になろう: 小説投稿サイト「小説家になろう」では、様々なジャンルの小説を読むことができます。他の作家の作品を参考にしたり、自分の作品を投稿して読者の反応を見たりすることができます。
- 作家のための情報サイト: 小説の書き方、プロット作成、出版に関する情報など、作家志望者にとって役立つ情報が満載のサイトです。
まとめ
この記事では、小説執筆初心者の方に向けて、プロット作成の基本ステップを解説しました。プロットは、物語の土台となる重要な要素です。しっかりとプロットを作成することで、一貫性のある、魅力的な物語を執筆することができます。
プロット作成は、決して簡単な作業ではありません。行き詰まったり、迷ったりすることもあるでしょう。しかし、この記事で紹介した方法やツールを参考に、諦めずにプロット作りに取り組んでみてください。
さあ、あなたもプロット作成を通して、自分だけの物語を創造し、小説家への道を歩み始めましょう!


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