新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。特に、旅行業界は大きな影響を受け、旅行スタイルにも変化が見られます 1。本稿では、コロナ禍以前と比較して、旅行スタイルがどのように変化したのか、具体的なデータや統計情報、そしてSNSでの旅行に関する投稿を分析しながら考察していきます。
コロナ禍で旅行はどう変わった?
コロナ禍において、旅行業界は大きな打撃を受けました。緊急事態宣言の発出や行動制限により、旅行を控える人が増え 2、旅行業界全体の活動指数は大きく落ち込みました 3。
日本交通公社が行った調査によると、コロナ禍前は日本人の約半数が旅行に行っていましたが、コロナ禍ではその割合が減少し、旅行者数が減少した大きな要因となりました 2。しかし、旅行に行く人の旅行回数はコロナ禍でもあまり変わっておらず 2、旅行業界全体としては回復傾向にあります 4。
また、海外旅行に関しては、国内旅行と比べて回復が遅れています 5。
旅行スタイルの変化:頻度、旅行先、期間、予算、交通手段
コロナ禍を経て、旅行の頻度、旅行先、旅行期間、旅行予算、交通手段は、以下のように変化しました。
旅行頻度
コロナ禍で旅行を控えていた人の多くは、70歳代以上となっています 2。一方で、旅行に行く人はコロナ禍でも同程度の頻度で旅行に行っていたというデータもあります 2。
旅行先
コロナ禍以前は、大都市への旅行が主流でしたが、コロナ禍以降は、自然が多い地域や人が少ない地方都市への旅行が増加しました 6。
JTB総合研究所の調査によると、地方や観光エリアから大都市への移動が大幅に減少し、居住地と同じエリア内での移動が増加しています 7。これは、感染リスクを抑え、長距離移動を避けるためと考えられます。
旅行期間
コロナ禍以降、海外旅行市場では、欧州の旅行者数が大きく増加しています 8。国内旅行に関しては、旅行期間が短期化する傾向にありますが 9、旅行の種類によっては異なる可能性も示唆されています 10。
旅行予算
コロナ禍で旅行の回数は減ったものの、1回あたりの旅行支出額は増加傾向にあります 11。
旅行の交通手段
コロナ禍の前後で交通手段に変化が見られ、車の利用率が最も増加しました 12。これは、家族旅行の増加や少人数での旅行に適していること、地方の温泉地などへのアクセスに便利であることなどが理由として挙げられます 13。
旅行者の意識変化:目的、重視するポイント
コロナ禍を経て、旅行者の意識も変化しました。
旅行の目的
以前は、観光スポット訪問が旅行の主な目的でしたが、コロナ禍以降は、「日常からの解放」や「旅先のおいしいもの」、「思い出をつくるため」といった目的が重視されるようになりました 1。
重視するポイント
旅行の計画・予約において、以前は旅行会社や店頭での予約が主流でしたが、コロナ禍以降は、ネット専門の旅行予約サイトの利用が大幅に増加しました 2。これは、若い世代ほど旅行先の選択にSNSからの情報を重視する傾向が強いためと考えられます 2。
また、JTB総合研究所の調査によると、「コロナ対策」を重視する人が大幅に増加しています 2。
SNSでの旅行に関する投稿分析
SNSでの旅行に関する投稿を分析すると、コロナ禍以降、以下の傾向が見られます。
- 話題の旅行先・アクティビティ: 自然豊かな場所、アウトドアアクティビティ、ワーケーション、ソロ旅行
- 人気のハッシュタグ: #旅行好きな人と繋がりたい #旅スタグラム #観光スポット #絶景 #日本の絶景
旅行業界の動向:新サービス・商品、マーケティング戦略
コロナ禍で大きな打撃を受けた旅行業界は、新たなサービスや商品を開発し、マーケティング戦略にも変化が見られます。
新サービス・商品
- オンライン旅行相談: リモートで旅行の相談ができるサービス
- ワーケーションプラン: 仕事と休暇を両立できる宿泊プラン
- マイクロツーリズム: 近場での旅行を促進するプラン。これは、地域経済の活性化にも貢献すると期待されています 2。
- 感染症対策: 宿泊施設の衛生対策を強化したプラン
マーケティング戦略
- デジタルマーケティング: SNSやウェブサイトを活用した情報発信
- パーソナライズ化: 個別ニーズに合わせた旅行プランの提案
- 地域との連携: 地域の魅力を発掘し、新たな観光資源を開発
宿泊施設の動向
コロナ禍の影響により、ホテルと比較して旅館の回復が遅れています 14。
旅行体験の多様化
旅行会社「Unforgettable Travel」の調査によると、人々が最も検索する旅行体験は多様化しており、文化体験やアドベンチャーツーリズムなど、従来の観光とは異なる体験が求められています 15。
専門家・インフルエンサーの意見
専門家やインフルエンサーは、コロナ禍後の旅行スタイルについて、以下のような意見を述べています。
- 持続可能な観光: 環境保護や地域社会への貢献を重視した旅行
- 責任ある観光: 旅行先の文化や風習を尊重した旅行
- ウェルネスツーリズム: 健康や癒しを求めた旅行
- 体験型コンテンツ: 現地での体験を重視した旅行
今後の旅行スタイルのトレンドと展望
コロナ禍を経て、旅行スタイルは多様化し、旅行者の意識も変化しました。 今後は、以下のようなトレンドが予想されます。
- パーソナライズ化: 個別ニーズに合わせた旅行プラン
- 多様化: ワーケーション、ソロ旅行、アドベンチャーツーリズムなど
- サステナビリティ: 環境保護や地域社会への貢献
SNSは、旅行の計画、情報収集、共有において重要な役割を果たしており、今後も旅行スタイルに大きな影響を与えると考えられます。
結論
コロナ禍を経て、旅行スタイルは大きく変化しました。旅行者は、より安全で安心な旅行を求めるようになり、旅行の目的や重視するポイントも変化しました。旅行業界も、新しい旅行スタイルに対応したサービスや商品を開発し、マーケティング戦略にも変化が見られます。SNSは、旅行の計画、情報収集、共有において重要な役割を果たしており、今後も旅行スタイルに大きな影響を与えると考えられます。
旅行業界は、これらの変化に対応し、新たな旅行の価値を創造していく必要があります。SNSを通じた情報発信や、パーソナライズ化された旅行プランの提供など、旅行者のニーズを捉えたサービスを提供することで、旅行業界は更なる発展を遂げることができると考えられます。
引用文献
1. 新型コロナウイルスにより生じた 旅行・観光に対するニーズや志向変化, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.env.go.jp/content/000062550.pdf
2. 多様化する旅のかたちと注意点 – 国民生活センター, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202402_01.pdf
3. 新型コロナウイルス感染症を 踏まえた観光の新たな展開 – 国土交通省, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.mlit.go.jp/statistics/content/001408960.pdf
4. 旅行業界の完全復活と さらなる成長、発展に向けて, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.jata-net.or.jp/wp/wp-content/uploads/press/2024press-conference.pdf
5. 2024年(1月~12月)の旅行動向見通し|ニュースルーム – JTBコーポレートサイト, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.jtbcorp.jp/jp/newsroom/2023/12/20_jtb_2024-annual-outlook.html
6. 新型コロナウイルスにより生じた 旅行・観光に対するニーズや志向変化, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.env.go.jp/content/000067688.pdf
7. コロナ禍で新たな旅行スタイルが定着―「人混み」と「移動距離」のリスクを抑える動きは当面続く見込みー – 日本総研, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=102303
8. アフターコロナの新たな旅行傾向 – みずほリサーチ&テクノロジーズ, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/2022/pdf/travel2211.pdf
9. アフターコロナの新たな旅行傾向(2/3) – みずほリサーチ&テクノロジーズ, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/2022/articles_0157.html
10. コロナ禍を経て、“旅行”はどのように変化した?~コロナ前後の“旅のスタイル”比較分析, 12月 28, 2024にアクセス、 https://gallery.intage.co.jp/travel2023/
11. コロナ前後でどう変わった?私たちの国内旅行費用の比較と最新事情 – moneliy(マネリー), 12月 28, 2024にアクセス、 https://moneliy.jp/investment/26929
12. 【ウェブクルー、“帰省・旅行時の交通手段および交通費に関する調査”実施】コロナ禍前後の交通手段の変化により、利用率が最も増えたのは「車(92.4%)」。 – PR TIMES, 12月 28, 2024にアクセス、 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000348.000002830.html
13. 2. 近年の観光行動の変化と交通の役割, 12月 28, 2024にアクセス、 https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/soukou/ppg/ppg9/kinnennokankoukatudou.pdf
14. アフターコロナ、旅館回復の鍵は多様性 | 経済産業省 METI Journal ONLINE, 12月 28, 2024にアクセス、 https://journal.meti.go.jp/p/34343/
15. コロナ禍で最も検索された「人気旅行先」トップ10 – TABI LABO, 12月 28, 2024にアクセス、 https://tabi-labo.com/301010/wt-pandemic-travel-most-visited-country


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